クラウドソーシングサイトなど、手軽にWebライティングの仕事がとれるサービスは、便利な反面、かなりの低単価で募集されているケースがいまだに多く見られます。
中には、納品しても報酬が支払われない、途中で音信不通になってしまう、といった地雷案件も存在します。
地雷案件にひっかかると、自分のエネルギーと時間だけを消耗することになります。
そこで、安心して参加できる健全な案件を見極める視力と、自分の判断基準が必要です。
今回は、Webライターの地雷案件の特徴や、未然に回避するための具体的な対策を紹介します。
Webライターの地雷案件って、聞いたことありますか?
地雷案件とは、悪質な条件で仕事をさせようとする募集案件のことです。
例えば、報酬が安すぎる、作業量が多すぎる、といった極端な案件や、契約内容が不明瞭なまま開始させるもの、継続的な募集としつつ、格安もしくは無料のテストライティングのみで終了するもの、などさまざまなケースが見られます。
単価が低いだけの案件とは違って、受注側の権利や立場がないがしろにされ、報酬の未払いや音信不通などが意図的に行われている点について非常に悪質と言えます。
地雷案件に参加してしまうと、時間・精神・評価すべてを同時に削られてしまうため、最初からかかわらないのが一番です。
とはいえ、クラウドソーシングでは現在でもこうした案件は存在しており、自分の身を守るためにも知識を持って回避する必要があります。
地雷案件が生まれやすい構造
- 発注側の経験不足により相場がわからず、格安の報酬額を提示してしまう流れ
- 契約内容や作業要件があいまいなままスタートしても、問題がなかった経験や風潮
- クラウドソーシング特有の力関係(発注側の言いなりになりがち&受注側の支えがない)
なぜWebライターの地雷案件対策が重要か?
地雷案件は、自身のスキルや時間を消耗するだけで、成長やレベルアップにつながりません。しいては、低単価案件の蔓延を助長する可能性もあります。
Webライターのトラブルは、スキル不足より案件選びの段階で起きるものが圧倒的に多いのが現状です。
クラウドソーシングは、今でこそ便利なサイトとして浸透していますが、力の偏りが出やすい構造のためトラブルになるリスクがあります。
特に、「未経験OK」「初心者歓迎」といった文言を載せ、数百円で募集するような案件は、学習や成長の機会を与えるなどと言って仕事を与えるケース(やりがい搾取)も頻繁に見られます。
始めて間もないWebライターは、自分は初心者だし自信がないからと、そのような案件に手を出しがちです。最終的には使い捨てられて終わり。
受注側である以上、条件的には不利になりやすいけれど、明確な判断基準や前提を持つことでトラブルの可能性を減らせます。
【実体験あり】クラウドソーシングで実際にあったトラブル事例
Webライターを11年も経験していると、いろいろな案件に参加することになります。
初期の頃は低単価案件が中心だったため、地雷案件に出会う確率も高く、記憶に残っているトラブルもあります。
ここでは、実体験を交えながら、地雷案件のトラブル事例についてお伝えします。
修正無限ループ
納品した記事に対して、繰り返し修正依頼が来る無限ループは、ライターが消耗するだけです。
終わりが見えないために、精神的なストレスも溜まりやすく、耐えきれなくなってしまった人は早々に離脱してしまうかもしれません。
結果的に、やり取りが途絶え、完了まで行けずに未払いで終わるパターンです。
意図して繰り返し修正を出してくるのであれば、相当悪質な発注者ですし、意図せず繰り返し直させるのであればさらにやっかいです。
当方も、過去に何回か出会ったことがあります。
ある案件では、初稿を修正したあと、二度目の修正依頼に、前回と同じ修正指示が含まれていました。
納得できないというより、率直に意味がわからなかったので「前回の修正指示と同じですが、対応できてなかったということでしょうか?具体的に教えていただけませんか」といった意向を伝えました。
返答としては「そこまで細かく指示することは難しい」とのこと。意味がわかりません。修正指示を出すと判断した根拠となる箇所が存在するはずなのですが、それも教えてもらえない…
続けて「具体的に箇所を指摘しなければわからないとなると、こちらも対処しきれないので今後は依頼できないかもしれません」などと言われました。
驚きつつも食い下がることはせず、自分の意見をまとめて提出し、その回で抜けさせてもらうことにしました。
継続はなしでしたが、無限修正ループに入る前で良かったと後で振り返っています。
単価の切り下げ・業務の無理な追加
テストライティング後に、報酬額や文字数などの条件変更がしれっと行われる案件は、間違いなく地雷案件です。
何のための募集要項なのか…
やむを得ない報酬の変更や業務の追加が発生する場合は、双方合意の上で行われるべきです。
「記事執筆だけだったのに、WP入稿まで追加されている」といった、業務の積み重ねが続くと、
特に個人のWebライターと発注元とのやり取りでは、どうしても一方的に言いなりにならざるを得ない状況に陥りがちですが、こういった
「今回は記事執筆のみのお話でしたので、次回からでお願いします。また、作業の追加に伴い報酬の調整もお願いしたく存じます。」と、交渉するのが妥当かなと思います。
同じ報酬額で追加作業をOKしてしまうと、金額の調整を許可してもらえる可能性が下がるため「話が違う」となったタイミングで待ったを出しておくのが大事だと思います。
未検収のまま音信不通になる
納品した後に連絡が途絶え、一向に検収されずに音信不通になり、そのまま未払いとなるやつです。
意図してか意図せずなのかはわかりませんが、計画的に行われたのだとしたら極悪です。
ライティング案件を何だと思っているのか…
支払い遅延や検収引き延ばしがある相手とは、継続して関わるべきではないと思います。
検収が進み支払いがなされるまで連絡し続ける必要があります。わたしだったら毎日でも連絡します。
約束通りの仕事をした、その対価は適切に受け取る権利があるので、そのためにしっかりと動きます。
ぶっちゃけ関係性など言ってられない、継続しないのだし、納得できないことはないがしろにせず対応しましょう。
報酬の未払い
実は、当方ほとんど経験がありません。クラウドソーシングでも、直接契約でも、報酬が支払われなかったことはない。支払いが遅れたこともほぼなし。
クラウドソーシングで一度だけ、先方が飛んでテストライティング分が支払われなかったことがある、報酬額は確か500円くらいw
当初は毎週メッセージしていましたが、音沙汰がないので運営にも連絡。徐々に半月、1ヶ月、半年とスパンが伸びながらも両方を並行して行ってました。
数年たった後に、運営から強制終了の連絡がきて、結局未払いで終わることとなりました。残念です。
質問するとキレられる(テストライティング)
これは不思議な案件でしたね。テストライティングの説明をオンライン通話で行う案件です。
執筆内容や文字数、テストの報酬について説明を受けた後「質問はありますか」と聞かれたので「(本採用になったら)どのメディアに掲載されますか?」と聞くと「え、今それ必要ですか?」と強めの口調で反論されました。
「どういう案件に携わるのか知っておきたいからです」と答えると、「テストに通ってからでいいじゃないですか」と言われ、教えてもらえませんでした。
違和感を感じたので、他の質問はしないまま通話を終え、テストライティングだけやって終わりにしました(採用はされなかったので、ちょうど良かったのですけど笑)
検収・支払いは問題なく行われたので、地雷案件として扱うかどうかは難しいですが、テストライティング詐欺の可能性もあったと考えれば、含めていいかなという判断です。
自分の専門分野でもあり、確か5,000文字で10,000円くらいでまっとうな条件での募集に見えたので応募しましたが、蓋を開けてみると違いました。
応募前に判断することは難しかったかもしれないですね・・・
契約前に見抜く!地雷案件リスクのチェック項目
100%完全に地雷案件を見極めることは難しいですが、共通する特徴を知っておけばある程度事前に見抜くことができます。
募集情報の危険サイン
クラウドソーシングなどでよくある代表的な危険フレーズを以下にまとめます。
- 抽象的な表現が多い
- 「初心者歓迎」「大量募集」
- 「試用期間」「テストライティング」で超格安(300円で5,000文字書かせるなど)
- 「実績次第で単価(報酬額)がアップします」「0.5円→3円になった人もいます」など将来性を期待させる
- 相場とかけ離れた条件:文字単価0.1円以下、初心者OKなのに1記事3万円など高単価すぎるケース
- 発注者の実績がない・登録して間もない・同じ募集を大量に投稿&一定間隔で繰り返し出している
- 「簡単な作業」「短時間でできます」的な勧誘文句
メッセージ段階での要注意ポイント
契約前のメッセージをやり取りする段階では、次のような点が見られた場合は危険信号です。
- 質問した際の返答が曖昧
- 返信スピードや態度に一貫性がない
- 日本語が不自然(海外の丸投げ案件など)
契約前に必ず確認すべき5項目
- 業務範囲
- 修正の上限回数
- 納期(すべての修正が終わって提出完了となる日時)
- 検収フロー
- 報酬金額
- 途中解約時の扱い
- クラウドソーシング内の規約違反がないか
確認事項は、自分が納得して仕事をするためにチェックすべきポイントです。
納得した上で契約することが何よりも重要です。
業務開始後に判明する地雷案件の中身
安心して契約したものの、業務を開始したあとに地雷だったと判明するケースもなくはありません。
初回フィードバックの有無や内容
初稿を提出した際に受けるフィードバックによっては、辞退した方がいい場合があります。
例えば、感情的に叱られる、人格否定のような指摘をされる、などがあった場合、そのクライアントとは長く付き合うべきではありません。
また、ゴール不在の修正ループもこちらが消耗するばかりで成長にはつながらないため、避けるべきです。
修正依頼は基本的には対応すべきですし、フィードバックもありがたく受け入れるべきですが、内容によっては信頼関係の破壊につながるため注意が必要です。
業務量と報酬のバランスが崩れている
自分の中で、時給や単価といった数字の基準や、明確な線引きができていないと起きやすい問題です。
あまりに格安の報酬に対して、作業範囲が広い場合はやりがい搾取の可能性があります。
ただ、やりがい搾取かどうかは捉え方にもよるため難しいところでもあります。
例えば、専門性を身に着けたい分野や、まったく未経験のジャンルで実績を積みたいから単価が安くても受ける、など納得しているのであれば問題ないかもしれません。
ただし、3ヶ月だけなど期限を決めて取り組むのがベターです。
我慢すべき案件と撤退すべき案件の区別
想定外の出来事ややり取りは、仕事ではつきものではあります。
ただ、成長につながる負荷なのか、それとも消耗するだけの負荷なのかを見極める必要があります。
| すぐに抜けなくてもいい案件 | 撤退すべき案件 |
|---|---|
| 単価は低めでも、事前に条件が明確にされている 修正依頼が具体的で、かつ回数や判断基準が妥当 クライアントの対応(返信の頻度や速度)が安定している 実績やスキルの習得につながる要素がある | 契約内容が曖昧で、後出しの要求が多い 無制限修正や追加作業が当たり前と思っている 人格否定や高圧的な指示がある 報酬未払いや支払い遅延の兆候が見える |
上記の基準を目安に、 条件の明確さと敬意に欠けると見られる案件は改善を待たずに撤退するのが合理的でしょう。
トラブルを未然に避けるには?具体的な対策4つ

トラブルを避けるためには、地雷案件を事前に見分けることと同時に、参加した後で気付いた際にはできるだけ早く撤退することが大切です。
ここで紹介する対策方法を参考にして、健全なWebライティング案件を探しましょう。
案件選定における判断基準を明確に持つ
単価より意思決定の基準を明確にしましょう。
「この案件・ジャンルでライター経験を積んで、〜〜なライターになりたい」といった目標がありますか?
「この発注者と長くお付き合いしたい」「この会社や業界に貢献したい」と率直に思えるかどうかで選ぶのも1つです。
支払い実績が明らかな取引先や仲介サービスのみと関わる
クラウドソーシングなら相手の評価や募集の実績は、支払いが正常になされるかどうかを判断する材料です。
違和感のある詳細の表記や、実績が確認できないクライアントからの仕事は引き受けないよう徹底することを推奨します。
目の前の報酬を狙うよりも、信頼できる案件だけに参加してリソースを担保しておく方が、ずっと健康的です。
一概には言えませんが、クラウドソーシングに登録したばかりのアカウントや、知名度の低い新しめの仲介サービス(Webライターと編集者、顧客のマッチング支援)は特に注意が必要です。
発注者や運営会社のバックグラウンドを可能な範囲だけでも調べた上で応募するのが望ましいでしょう。
契約書などの書面を必ず締結する
契約書を締結する、請求書を送付するだけでも、報酬未払いや音信不通になるリスクをぐんと下げられます。
書面でのやり取りだけで法的な効力が出るとは言い切れませんが、安心して取引できる関係性を作るためにも書類は重要です。
契約書の汎用テンプレートがあればほとんどの案件で使い回せるので、1つ持っておくと良いでしょう。
発注側が作成した契約書がある場合は、同意する前に詳細を必ず確認する必要があります。
ChatGPT に読み込ませて、普通じゃない点がないかチェックしてもらうのもアリです(ただし、個人での利用に限り、履歴を残さない使い方でデータの漏洩を防ぎましょう)
少しでも違和感があったらやめとく
目の前の報酬より、長期的に健全かつ自分のペースで成長できる環境を、自ら選び取っていく意識を持つことです。
どんなときでも、自分で納得して仕事を選ぶことが大事です。
たとえそれで一時的に数字の達成を逃したとしても、自分の中の判断基準が濃くなっていくため、将来規模の大きな仕事になったときに判断を間違えなくなります。
(判断基準を間違える=詐欺に合う、騙される可能性が高い)
トラブルになった際の対処法は次から書いていますが、正直面倒です。対処にかかるコストも思いの外多くなります。
だったら、ちょっとでもあれ?と思うクライアントや案件はパスしておくのがベターです。
(Threadsで愚痴って吐き出したって、そのときはすっきりするかもしれないが報酬は支払われないし、仕事の経験値も増えません)
地雷案件に足を踏み入れてしまったら?やるべき対処法
もしトラブルに合ってしまったら、やれることをすべてやって、全力で解決を試みることをおすすめします。
まずは相手へ連絡する
「いつまで経っても検収されず報酬が支払われない」「音信不通になってしまった」
そんな状況に陥ったら、まずは相手に連絡します。やり取りしているプラットフォームで、連絡がつくまで繰り返しメッセージを送りましょう。
数週間、数ヶ月経っても反応がない場合は、クラウドソーシングなら運営会社にも連絡を入れます。
連絡が取れなくなった案件の詳細や発注者の情報、具体的な状況を端的に説明して相談します。
どうしても解決できず、成すすべがなくなったら
手を尽くしても状況が変わらないのであれば、勉強代として割り切って次に進むことも立派な選択肢の1つです。
ただし、「自分側には非はなかっただろうか?」「次から、どう対応すれば同じ状況を避けられるか?」を必ず考えることが重要です。
同じ過ちを繰り返さないことが「勉強代」の意味です。
未払いの不安なく、安心して仕事をするために何ができるかを明確にし、必ず次の機会で回収すると決めましょう。
まとめ|自分の仕事に誇りを持て!
案件を見極める目と、仕事に対する意識、そして見合った行動によって地雷案件を回避し、同時にまともな案件だけに参加できる確率が大幅にアップします。
11年のWebライター歴の中で、頻度の差はあれどクラウドソーシングサイトは毎年使ってきました。
それでも、大きなトラブルなくやってこれたのは、大前提として「仕事に対するプライド」があったから、ということが言えます。
「自分はきちんとWebライターの仕事をしている、だから見合った報酬をもらうのは当たり前だし、ビジネスのやり取りをする相手として見られて当然だ」
「極端に安い仕事に関わる暇もなければ、その必要もない」そんな考え方を持って仕事をしてきました。
そもそも受けたい金額の案件のみに応募していたので、無反応の案件は無数にあっても、契約が決まってから飛ばれたり、違反されたり、といったケースはほとんどありません。
直接の契約であっても、契約書を交わさず信用で成立することもありましたが「これで飛ばれたらどうしよう」と最初は思っていた案件も少なくありません。
プロとしての意識と気持ちを持って仕事をする、だから報酬がもらえます。
仕事として約束したものは適切に対処されるべきであり、報酬を支払ってもらうまで追いかける、詰める、執念でもぎ取る、それくらいの気持ちで対応する。早々に泣き寝入りしない。
少なからず、当方はこれくらいの意気込みで案件を受けてきました。フリーランスの場合、最終的には自分でしか自分を守れないからです。
地雷案件を回避しつつ、トラブルに巻き込まれても最後まで自分のスタンスを守り抜くことも重要です。

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